【年長組 劇づくりプロジェクト⑤】「みにきてくれてありがとう」——みんなの思いを重ねて迎えた、最後のおゆうぎ会
【この記事のポイント】幅下幼稚園(名古屋市西区)の年長組・劇あそびの取り組み第5回(最終回)です。自分たちで創り上げたお話をおゆうぎ会の舞台で楽しむ姿や、頑張っているところを見てもらおうと自分の言葉で伝える「おもてなし」の様子をご紹介します。行事のあとには「みにきてくれてありがとう」と保護者への感謝を友だちと共有し合うなど、3年間の集大成となる年長児のありのままの姿をお伝えします。

「どんな役がいる?」「どんなセリフがいいかな?」「何が必要かな?」 12月に絵本『せんにんのいし』の世界に出会い、大きな紙に言葉を書き出しながら、何度も話し合いを重ねてきた年長組の子どもたち。
意見が違うときも、じゃんけんや多数決で急いで決めることはせず、一人ひとりの思いを大切にしながら、みんなの「いいね」が重なる形をゆっくりと探してきました。 今回は、子どもたちの「やりたい!」がたっぷり詰まった年長組オリジナルの物語が、いよいよおゆうぎ会の舞台に上がり、そしてそのあとに見せてくれた姿をご紹介します。
「130回がんばります!」自分の言葉で届けるおもてなし
舞台の上で、石のせんにんチームによる「ぼのさんへのおもてなし」が始まりました。縄跳びを披露する前、子どもが堂々と自分の言葉を伝えます。
「130回がんばります!」

これは大人が用意したセリフではありません。「頑張っているところを見てもらいたい」「喜んでほしい」という、子どもたちの素直な思いがそのままあふれ出た言葉です。 跳び始めると、見ている子どもたちから自然と手拍子が起こり、「がんばれー!」と声が広がります。

頑張っている友だちの姿をそのまま受け止め、心から応援する。舞台の上に立つ子も、下で見守る友だちも、一緒にその場を楽しむ。自分の心から湧き出た言葉で表現し、友だちの姿にワクワクする、年長組らしい等身大の姿がありました。
きれいにそろえることよりも、一人ひとりの「やりたい!」を
今年のおゆうぎ会で大切にしてきたのは、子どもたちが自分で選んだものに取り組むことです。 劇あそびの役やおもてなし、そしておゆうぎの曲も、一人ひとりが自分の意志で選びました。

そのため、今年の年長組は男女で曲を分けたり、人数を均等にそろえたりする形はとっていません。同じ曲を二つのグループで踊ることもあります。見た目をきれいにそろえることよりも、子どもたち自身の真っ直ぐな気持ちを一番に大切にしています。 舞台の上には、自分たちで一から創り上げた物語を心から楽しむ、子どもたちの生き生きとした笑顔が溢れていました。
「おしごとやすんできてくれてありがとう」あふれる感謝の気持ち
おゆうぎ会が終わったあと、子どもたちと「おうちの人に、どんなことを伝えたい?」と話し合う時間を持ちました。 今年は直前に体調を崩す子が増えたこともあり、舞台の最後で一人ずつ発表する場面を見送り、終わったあとに動画でご家庭にメッセージを届けることにしました。
ホワイトボードには、子どもたちの思いが次々と広がります。

「ありがとう」 「みにきてくれてありがとう」 「さいごのおゆうぎかい、がんばったよ」 「うれしかったよ」 「おしごとやすんできてくれてありがとう」
一人ひとりの中にあった思いを言葉にし、友だちの言葉を聞いて「それいいね」とまた思いを重ねていく。幼稚園での三年間で積み重ねてきた、友だちと思いを共有し合う姿がそこにはありました。

保護者の皆さま、ここまで園と共に歩んでくださり、本当にありがとうございました。子どもたちの「やりたい!」が詰まった最後のおゆうぎ会を一緒に迎えられたことに、心より感謝申し上げます。
【年長組 劇あそびシリーズ】 幅下幼稚園の年長組が、お話を創り上げ、おゆうぎ会の舞台に立つまでのプロセスを全5回でお届けしました。
① 絵本の世界をみんなでひらいていく時間
② 役割の自己決定と協働
③ 大道具・衣装・小道具づくり
④ チーム保育で見守る子どもたちの挑戦
⑤ 本番と総括〜みんなで迎えたおゆうぎ会〜(本記事)
