【年少組】「ひとり」から「みんな」へ。言葉とイメージでつながる3学期の遊び

この記事のポイント:
幅下幼稚園・年少組(3歳児)の1月の保育記録です。「お家ごっこ」や「アイスクリーム屋さん」などの遊びを通して、友だちとイメージを共有し、言葉でやりとりを楽しむ姿を紹介します。集団遊びへの移行期における、子どもたちの社会性や意欲の育ちをお伝えします。

3学期を迎え、年少組(3歳児)の子どもたちの姿に、大きな変化が見られるようになりました。
これまでは、同じ場所にいても一人ひとりが自分の世界で遊ぶことが多かった子どもたちですが、今の時期は「友だちと一緒」であることに喜びを感じ、イメージを共有しながら遊ぶ姿が増えてきています。

今回は、1月の「ごっこ遊び」を通して見られた、子どもたちの豊かな成長の記録をご紹介します。

年少組の子どもたちは今、見立て遊びやごっこ遊びが大好きです。保育者は、子どもたちの「やってみたい」を引き出すために、遊びの環境を少しだけ整えます。

例えば、保育室の「お家コーナー」。先生は屋根をつけ、壁になりそうな段ボールをそっと置いただけでした。しかし、子どもたちは自然とそこに集まり、絵を描き始めます。「お顔」「虹」「ハート」など、思い思いの絵で飾られた段ボールは、やがて立派な壁に。「ここは○○のおうち」「ここはへや」と、自分たちで場所に意味を持たせ、遊びの場を創り上げていきました。

また、「キャンピングカーコーナー」でも同様の姿が見られました。段ボールの車に乗り込むと、「ついたよ〜」「ピクニックいこ〜」と、運転手やお客さんになりきって会話が弾みます。


運転中に「もっとピクニックしたいんだけどなぁ」と自分の思いを言葉にしたり、眠っているふりをする友だちに「おやすみなさい」と優しく声をかけたり。

大人がすべてをお膳立てするのではなく、余白を残すことで、子どもたちは自分たちのイメージを重ね合わせ、そこを「みんなの居場所」へと変えていくのです。

友だちと遊ぶ中で、少しずつ「ルール」や「役割」を理解し、コミュニケーションを取る力も育っています。

ある日のアイスクリーム屋さんでの出来事です。「いちごをください」というお客さんの注文に、一人の店員さんが元気に「OK!」と答えました。


しかし、その横にいた別の子が、メニュー表を指差して「いちごはありません」とそっと伝えます。
すると、最初に「OK!」と言った子は少し考え、お客さんにこう言い直しました。
「じゃあ、また今度にしてください」

自分たちで決めたメニュー(ルール)を守りながら、相手の言葉を受け止め、状況に合わせて対応を変える。これは、3歳児にとって非常に高度な社会性の表れです。遊びの中でのやりとりを通して、相手の気持ちを考え、言葉で伝える力が着実に育まれています。

アイスクリーム屋さんの隣では、メニュー表作りに熱中する姿もありました。
先生が少し書いたメニュー表を見ながら、自分も「つづき」を書き始めた男の子。ブドウ・リンゴ・イチゴなどをイメージしながら自分なりの絵を描いて、メニューを増やしていきます。

この時期、文字や数字への興味が芽生え始めますが、大切なのは「文字を教え込むこと」ではありません。「お店屋さんごっこをもっと楽しくしたい」「自分も書いてみたい」という内側から湧き出る意欲です。
「メニュー表を作りたい!」というこの純粋な動機こそが、将来の「学びに向かう力」の根っこになっていきます。

自分たちで場を創り、役になりきって言葉を交わし、必要な道具を作ってみる。
一見、ただ楽しそうに遊んでいるだけの時間に見えるかもしれませんが、この「ごっこ遊び」の中にこそ、想像力、協調性、思考力といった、幼児期に育てたい大切な力が詰まっています。

幅下幼稚園では、これからも子どもたちの「遊び込みたい」という気持ちを大切にし、友だちと関わる喜びを感じられる環境を整えてまいります。