「そっと触れて、くり返して」から始まる毎日


この記事のポイント:名古屋市西区の私立幼稚園・幅下幼稚園の満3歳児クラスでは、11月から1月初めにかけて、安心できる環境の中で「貼る」「畳む」「大切にする」といった小さな経験をくり返し重ねてきました。結果よりも過程を大切にし、自分でやってみたい気持ちを育む日常の様子をお伝えします。

― 満3歳児クラス・冬の園生活 ―

静かな時間が流れる、満3歳児クラスの冬

11月から1月初めにかけての満3歳児クラスを振り返ると、
保育室には、にぎやかさよりも落ち着いた、やわらかな時間が流れていました。

満3歳児さんの園生活は、
「がんばる」「できるようになる」ことから始まるのではありません。
まずは、安心できる場所で、やってみたいことをくり返すところから、少しずつ広がっていきます。


貼る・選ぶ・参加する —— 製作あそびの中で

11月、保育室の一角に並んだのは、
どんぐりの形の画用紙、クレヨン、のり。

子どもたちは、色を選び、模様を描き、
できあがったどんぐりを「ここ」と決めた場所に貼っていきました。

貼る位置も、順番も、正解はありません。
のりの感触を確かめながら、
「自分でやってみる」経験を、何度も味わう時間が続いていました。

この活動で大切にしているのは、仕上がりではなく、
描く・貼る・その場に参加するというプロセスそのものです。


大切にする気持ちが、遊びの中で育つ

お顔を描いたどんぐりを手に、
保育室の中を歩き、立ち止まり、抱えて移動する姿が見られました。

たどり着いた先で、
「疲れたね」と声をかけながら、
小さな布団をかけて、そっと寝かせてあげる様子もありました。

遊びの世界の中で、
自分がつくったものを大事に扱うこと、
誰かを思う気持ちが、自然な動きとして表れていました。


生活の中で身についていく「できた」

手洗いのあと、
椅子の上でハンカチを広げ、そっと畳む姿。

先生がそばにいなくても、
場所を見つけ、自分のペースで整えようとする様子がありました。

特別な練習ではなく、
毎日の生活の中での関わりの積み重ねが、
「自分でできた」という小さな自信につながっています。


ことばを受けとめ、関わりが生まれる

3学期の始まり。
キッチンコーナーでは、いつものようにごっこ遊びが始まっていました。

「メロンソーダが飲みたいな」
そんな大人の言葉を受けとめて、
ジュースを作り、そっと運んでくる姿。

満3歳児さんならではの、
「してあげたい」という気持ちが行動になる瞬間です。

ごっこ遊びの中で、
言葉のやりとりや、人と関わる楽しさが、ゆっくり育っています。


まとめ|一つひとつの「そっと」が、育ちにつながる

満3歳児クラスの生活では、
早くできるようになることや、上手にこなすことを目標にはしていません。

貼る。
畳む。
寝かせてあげる。
言葉を受けとめる。

そんな一つひとつの経験が、
**「自分でやってみたい」「人と関わりたい」**という気持ちを、確かに育てていきます。

もしお子さんがこの場にいたら、
どんな「お気に入り」を見つけ、
どんな「そっと」を重ねていくでしょうか。

満3歳児クラスの冬の日常は、
そんな問いを静かに残してくれる時間でした。