【特別編】園見学会レポート|子ども主体の保育が、外からも見えた日

【この記事のポイント】
園見学会の感想から「子ども主体の保育」の実践を報告する記事です。参加者の付箋から、先生の穏やかな声や子どもが自律して動く姿が見えてきました。特に、集団の中でも先生の話を自分事として聞ける姿は、入園時からの丁寧な一対一の関わりの積み重ねによるものです。日常の保育を支える先生方への感謝を綴っています。

 2026年2月19日(木)にNPO法人KAWARUさん主催で開催した園見学会には、在園児以外の保護者の方から、日頃から保育に関わる同業者の方まで、多くの方にご参加いただき心よりお礼申し上げます。 見学後、参加者の皆様からたくさんの「付箋」に感想を寄せていただきました。そこに書かれていたのは、園の理念という目に見えないものが、日常の姿として外からもはっきりと観察できたという驚きと共感の声でした。そしてそれは、毎日子どもたちに寄り添い、環境を整えている先生たちの関わりがあってこそ実現しているものです。今回は皆様からいただいた言葉を通し、改めて先生たちの日常の姿への感謝とともに、当日の様子をご報告いたします。

付箋から見えたこと〜4つの視点〜

見学会を通して皆様が捉えてくださった「先生と子どもたちの姿」を、4つの視点に整理してご紹介します。

① 先生たちの穏やかな声と眼差し

「先生たちの声がとってもおだやかでした☺」
「それを実現するために見守る、寄り添う姿 目線を子どもに合わせる姿」
「職員の声がほとんど聞こえなかったのがすごい」

先生たちが声を張り上げるのではなく、一人ひとりに届く穏やかな声で関わる姿を多くの方が観察されていました。

② 子どもが自ら選び、動く時間

「『子ども主体』の名の通り、子どもがやりたいことを選び、遊び込む環境や時間が約束されている」
「やってる事を否定したり とめたりしない。」
「外で自由に遊びまわっていた子が教室に戻って静かに話を聞いていた姿がギャップがすごかった。」

指示を待つのではなく、自分で考えて動く姿。特に「静と動のギャップ」については、見学中にもご質問をいただきました。 これは、集団のルールで子どもをコントロールしているからではありません。入園当初からの一対一の丁寧な関わりを通して、「先生は『私』にお話ししてくれている」という安心感と経験を積み重ねてきた結果です。その経験があるからこそ、集団の中で先生が前に立って話していても、「自分に話しかけてくれている」という感覚で耳を傾ける姿へと繋がっているのです。

③ 飾らない日常の中にある育ち

「柔軟。型にはまりすぎない。」
「大人にも自発的にあいさつをするのが、彼らの中でふつうになっている姿がすばらしい。」

特別な行事の姿ではなく、あいさつや日々の生活といった「ふつう」の姿に、”健やかな育ち”を感じていただけたようです。

④ 温かな声が響く空間づくり

「子どもたちの声がたくさん聞こえる時間があたたかかったです!」
「子どもたちの声が聞こえる、先生たちの声が穏やかで、園全体の雰囲気がすごく良い」

先生の穏やかな声と、子どもたちの弾む声。この二つが両立する空間が、のびのびとした雰囲気を作っていました。

「子ども主体=放任」という誤解を超えて

「子ども主体の保育」と聞くと、大人が何もせず「自由にさせる(=放任)」というイメージを持たれることがあるかもしれません。しかし、今回いただいた付箋には、その誤解を解き明かすような言葉がありました。

「子ども主体と言うと自由というイメージがあったが、主体とするための工夫が難しいこと。お金のかかることではなく、作られていることが学びになりました。」
「こどもたちをルールの枠にはめ過ぎずに、こどもたち自身で、自立して、成り立っているようにそっと手助けして下さる」

自由に見える空間の裏には、子どもが自分で選べるようにする環境の工夫や、先回りしすぎない「そっとした手助け」があります。先生たちが日々、見えないところで「主体を支える足場」を丁寧に作ってくれていることが、皆様の目を通しても確認できました。

「一緒に働きたい!!」という言葉の背景にあるもの

見学後、ある保育園園長が「一緒に働きたい!!」と付箋に書いてくださいました。

同じ保育の専門家からこのような言葉をいただけたのは、なぜでしょうか。いただいた付箋を繋ぎ合わせると、その理由が見えてきます。

それは、「子どもたちの声がたくさん聞こえる」活気ある空間の中で、「先生たちの声は穏やかで、ほとんど聞こえない」こと。そして、大人が過剰に指示を出さなくても、「子どもたちが自分のペースでスムーズに動いている」という事実です。

これらは決して魔法ではなく、先生たちが日々子どもを信じ、待ち、環境を整え続けてきた結果です。子どもたちがのびのびと過ごし、かつ先生たち自身も動きやすいという循環は、日々の地道な実践によってのみ生み出されます。

【まとめ】 今回の見学会は、理念が言葉としてではなく、日常の風景として確かにそこにあることを、参加者の皆様が教えてくださる機会となりました。そして何より、毎日子どもたちに寄り添い、環境を整え続けてくれている先生たちの関わりがあってこそ実現していることを、改めて確かめる一日になりました。先生たちの日々の積み重ねと専門性に、心より感謝いたします。